Society of Jesus
Japan Province
霊性
黙想の家
イグナチオ・ロヨラの
マンレーサでの回心
イエズス会の創立者のイグナチオ・ロヨラは回心以前、この世の勝利と名誉のために戦う軍人でした。ところが、彼は戦争で負傷し、寝たきりの生活に。その時、退屈を紛らわせるために読んだ聖書と聖人伝によって、劇的な回心を遂げました。
彼は、今までの生き方を捨てて、イエスに従う者になろうと決心して家を出ました。ですが、その回心はまだ表面的なものでした。彼はその後、マンレーサという洞窟で約九ヶ月間、祈りと黙想の日々を過ごし、神の恵みを味わい、自分の罪や弱さを見つめ、イエス・キリストの生き方を心に刻みつけました。 そして真に生まれ変わったのです。
現代人にも必要な「マンレーサ」
現代に生きる私たちにも、このような「マンレーサ」が必要ではないでしょうか?キリスト教の信者でも、気づかないうちにキリストに倣う道から外れて、自分勝手に生きているかもしれません。そのため、時には自分自身の生き方を根本的に見つめ直し、「主キリストが私に望んでいることは何か」を聴く必要があるでしょう。
このような、現代の「マンレーサ」を提供するのがイエズス会の重要な使徒職の一つです。
イエズス会の黙想の家の
イエズス会員の働き
現代のマンレーサ、それは黙想の家です。現在、日本管区のイエズス会の黙想の家は2つあります。
そこには、日常から離れ、沈黙と祈りの雰囲気が満ちている空間があります。
簡素な個室、沈黙が深まる聖堂、自然とふれあう庭などすべてが、魂が神と真摯に交わる場を作り上げています。
そこで奉仕するイエズス会員の使命は、訪れる人の魂の声を聞き、魂の変容の手伝いをすることです。
黙想の家を訪れる人々は、大きな苦しみを抱えていることもあります。ですが、彼らは、黙想を通して、現実を超えた神の恵みの次元に気づいていきます。
ここで奉仕するイエズス会員は、日々、神の恵みの働きかけを目の当たりにしている証人とも言えます。
主イエスがイグナチオの魂を呼び覚まし、祈りに導かれたように、今も、変わりなく多くの魂が主に呼び掛けられています。
この魂の同伴という黙想の家での奉仕は、イエズス会の核心的な使徒職と言えるでしょう。