イエズス会
日本管区
イグナチオ年2021-2022
イエズス会全体宛
兄弟の皆様
1521 年、イグナチオがパンプローナの戦いで痛めた足の傷のためロヨラの実家で療養していた時に、神は彼に回心をもたらし、彼をマンレサへと続く道へと導いてくださいました。イエズス会全体で、そして私たちの友人や教会全体と一緒に、聖霊がロヨラのイグナチオをキリストに従う決意へと促した光栄ある瞬間を思い出し、そこから「実を結ぶ」ために、この巡礼の道についての理解を深めたいと考えています。
そのために、2021年5月20日(パンプローナでの負傷の記念日)にイグナチオ年を開始します。そして、イグナチオ年は、2022年7月31日に終了します。2022年3月12日は、聖フランシスコ・ザビエル、アビラの聖 テレジア、聖イシドロ、聖フィリポ・ネリとともに、聖イグナチオが列聖されて400周年の記念日であり、イグナチオ年の中心となります。
また、通常の方法で第71回代表者会議を招集しようと思います。これは2022年5月16日から22日の間にロヨラ(スペイン)で行われます。これに先立って、総会議のメンバーのための8日間の霊操がおこなわれます。私は、2021年1月15日に第71回総会議を正式に招集し、2021年12月15日まで各管区会議が終了するように提案します。
私の願いは、このイグナチオ年を中心として、主の呼びかけを聞き、イグナチオの個人的な経験に触発されて、私たちが回心するように主が働かれるようにしたいということです。ロヨラでの療養中(1521-1522年)、イグナチオは自叙伝の中で次のように述べています。「それゆえ、彼の兄や他の家人たちまでが、彼の心のうちに内的におこなわれた変化を、その外的な変化から感知し始めた」 (10)。「彼らは、彼が何か大きな変化を望んでいることをうすうす感じていた」。すでにマンレサに滞在中に、イグナチオは「今、始まっている、このまったく新しい生き方はいったいなんだろうか」と自問しています (21)。さらに自叙伝の中で、イグナチオはこのことをはっきりと知り、「「すべてのものが新たに」(30)見えるようになった」と述べています。「イエズス会使徒職全体の方向づけ(UAP)」(2019-2029)では、私たちの個人的、共同体的、組織的な回心への呼びかけを確認していますが、これは、私たちのより大きな霊的、使徒的な自由と応需性のために必要なことです。これを機会として、神に、私たちの「生活とミッション」が神のみ心にかなったものとへと変容していただきましょう。
イグナチオが聖地への巡礼を望んでマンレサに到着したように、イグナチオは、神を求めるすべての人に、それぞれが回心する霊的な旅を経験させます。これは今日の私たちにも当てはまります。したがって、私たちのこの祝いのモットーは、「すべてのものをキリストにおいて新しく見る」です。これは、この一年間が、主ご自身によって「刷新」される機会でもあることを強調します。巡礼者が書き始めた『霊操』は、彼の継続的な回心の最も重要な成果の一つとなり、全人類への遺産であり、神への道を示す光栄ある道具となります。教皇フランシスコが「イエズス会使徒職全体の方向づけ」を承認した時に強調されたように、「イエズス会使徒職全体の方向づけは、個人および共同体の祈りと識別の生活におけるイエズス会員と主との関わりを基本条件として前提にしているからです」。[1]
イグナチオが実践し始めようとした清貧は、貧しい人々との個人的な交友関係や彼らに提供した援助と同様に、彼の人生の変化の大きな証しの一つです。これは、現代におけるイエズス会への最も緊急な呼びかけの一つであり、主ご自身の生き方に近づこうとする私たちへの明らかな招きであると私は確信しています。したがって、2021-2022 年のイグナチオ年は、私たちが生き、働いている多様な社会的、文化的状況の中で、貧しい人々、排除された人々、尊厳が尊重されていない人々の叫びを聞く絶好の機会となるでしょう。それは、私たちの心を動かし、私たちを貧しい人々へと近づけ、正義と和解を求めて彼らと共に歩むように強います。聖霊が、この一年間を生きる中で招いてくださる私たちの回心の一面は、我々の清貧の誓願をどのようにして深めていくことができるかを、共同で識別することです。このようにして、私たちもまた、イグナチオと最初の同志たちが、受け取ったカリスマに忠実に、イエズス会に望んでいた生活様式に近づくことができるのです。
イエズス会は、私たちの起源を、イグナチオ年(2021-2022年)に思い起こしていくイグナチオの経験にさかのぼって行きます。この年は、私たちの霊性の根源、つまり、さまざまな方法や場所で私たちを養い、栄養を与えてくれる霊的な源を知る良い機会を与えてくれます。私たち自身の内なる自由とMagisのためのエネルギーを深め、刷新することで、私たちは新しく、豊かな視点へと開かれるのです。これらは、若い人々と共に歩み、自然の傷を癒し、未来の世代のためにより良い世界を準備しようとする集団的な努力に参加するために私たちを駆り立てる希望を通して可能となるのです。
私はすべての地域上級長上協議会と管区と地域が、私たちのミッションの仲間と可能な限り密接に協力して、私たちの創立者である「Padre Maestro Ignacio」の回心について、熱意をもって記念することを奨励します。このイベントからの恩恵は、私たち全員に、万物の主を知り、愛し、従う機会を与えることです。イエズス会総本部は、特にこの目的のために私が設立した委員会を通して、このような努力を支援していきます。[2]
私たちの父師イグナチオのように、「道の聖母」がこの回心の道しるべとなってくださいますように。不可能を可能にする大胆さを私たちに与えようとする聖霊を受け取るため、必要な開かれた心を持つように、私たちが鼓舞されますように。
イエズス会総長 アルトゥーロ・ソーサ
ローマ、2019年9月27日(原語:スペイン語)
[1] 2019年2月6日付、教皇フランシスコの手紙。
[2] イグナチオ年(2021-2022)のための委員会は、Pascual Cebollada(コーディネーター)、Pierre Belanger, Cipriano Diaz Marcos, James Grummer神父たちとSister Patricia Murray,IBVMによって構成されるd